初めまして!Youtubeで2DモデルのバーチャルYouTuberとして配信を行っている鳴滝姫雄(なるたきひお)です。
この記事ではこれからVtuberを始めてみたい方・Vtuberをするにあたってパソコンの買い替えを検討している方に向けて、どれくらいのスペックのパソコンを用意すればどんな配信が可能になるのかについてお話ししようと思います。
自身もVtuberを始めるにあたりパソコンを新調した身なのですが、現役Vtuberが一体どんなスペックのPCを使ってるのかよく分からなくて、PCの買い替えに手間取りました。
なので同じ境遇にいる方にとって少しでも参考になればと思い書きました。
・あくまでPC一台で2Dモデルを動かし配信をするテイでの記事ですので、3Dモデルでの活動を考えている方や2台以上のPCやスマホなどを駆使して配信を考えている方の場合は必要なスペックが異なる可能性がございます。
・ここで紹介する内容は、自分のPCスペックや周りのVtuber仲間さんの配信環境を聞いた上で、自分の考えをまとめたものです。
・パソコンは高価ですのでご購入の際はくれぐれも自己責任でお願いいたします。
PCのパーツについて
まず、ざっくりとで良いのですが、以下の言葉の意味が分かりますか?
・CPU
・GPU
・メモリ
・ストレージ(SSDやHHD)
これらはPCに組み込まれてるパーツの名称で、この4つさえ確認すればPCのスペックは大体わかるとも言えるほどスペックを決める上で重要な役割を担っているパーツです。
家電量販店にしろPCショップにしろ、PCを購入する際は確実に目にすることでしょう。
パーツごとの役割をイメージできるようになると自分にあったパソコン選びがしやすくなると思うので、この記事では簡単に触れたいと思います。※意味が分かる方はすっ飛ばしてOKです。
CPU
中央処理装置と呼ばれるもので、その名の通りパソコンに送った命令処理を行う重要なパーツです。
よく人間で言うところの『頭脳』にあたると例えられます。
これが高性能だとあらゆるスピードが速くなります。データの書き出し速度や複数の作業を並行して行う能力なんかがCPUの性能で変わってきたりします。動画編集なんかでもCPUの性能がモノを言うらしいです。
IntelのCore iシリーズやAMDのRyzenシリーズなんかが有名ですね。
GPU
映像を綺麗に映すことに特化したパーツです。特に3Dグラフィックの映像なんかで本領を発揮します。
パソコンにとって必須のパーツではないため家電量販店なんかに置いてあるノートパソコンにはついていなかったりしますが、一般的にゲーミングPCと呼ばれるパソコンにはほぼ必ずこのパーツが組み込まれています。
Vtuberの場合はPC上でモデルを動かす時にもGPUを使用するので恐らく必須のパーツですね。
特に3DのPCゲーム配信をしたいと思っている方は必ずGPU搭載のものを選びましょう。
NVIDIAのGeForceシリーズやAMDのRadeonシリーズなんかがそれにあたります。
メモリ
CPUが処理をするにあたってのデータを一時的に記憶するための装置です。CPUが処理をするための『頭脳』であることに対し、メモリは『作業台』と例えられる事が多いですね。
次に紹介するストレージからデータを取り出して、メモリにデータを記憶させておきそこでCPUがデータ処理をするといったイメージ。CPUと同じでパソコンの処理能力に大きく関係するパーツです。
ストレージと同じ『GB』で表記される事が多いので混同しがちですが、PCにおける役割は別物です。
基本的には『GB』の前に付く数字が大きいものほど高性能です。
ストレージ
これはスマホでもよく見かけるのでイメージしやすいかと思いますが、データを保管するパーツですね。
メモリが一時的な記憶装置に対し、ストレージは長期間の記憶装置です。
ストレージは記憶方法の違いからSSDとHDDに分ける事ができますが、最近はデータの読み込み書き込み速度の速さからメインストレージにSSDを搭載しているパソコンが主流です。
数字が大きいものほど大量のデータを保管する事が出来ますが、サブストレージは後から付け足せたりもするので、深く悩まなくても大丈夫です。
PCパーツの性能によって値段が変わる
上で紹介したもの以外にもPCには様々なパーツが組み込まれますが、PCの性能は上で紹介したパーツでほぼほぼ決まります。
より高性能なモノを選べばその分値段が上がりますが、安いモノを選ぶとせっかく大金を出したのにやりたい事が出来ない!なんて事が起こる可能性もあるので慎重に吟味したいところですね。
特に、ノートパソコンの購入を検討している方は、CPUを妥協しないようにしましょう。
デスクトップの場合は、購入後自分でハイスペックなパーツに取り換えることも可能です。しかしノートパソコンのCPUに関しては一般的な市場に出回らなかったり、専門的な道具が必要になったりするので自力で取り換える事が難しいです。なのでノートパソコンを買おうと思ってる場合は余裕のあるスペックのものを買う事をオススメします。
姫雄のPCスペックと配信環境
では実際に私、『鳴滝姫雄が使っているPCのスペック』と『このPCで出来たこと』『このPCでは挙動がイマイチだったこと』についてお話したいと思います。
鳴滝姫雄のPCスペック
私が使っているPCは2019年末に購入したゲーミングデスクトップPCです。
鳴滝姫雄のPCスペック
CPU : AMD Ryzen9 3900X
GPU : NVIDIA GeForce RTX2070 super
メモリ : 32GB
ストレージ : SSD 1TB、HDD 2TB
当時はまだIntelのCoreシリーズが9世代までしか発売されてなかったタイミングなので、CPUもGPUもそれなりにハイスペックの部類だったと思います。
よほど負荷がかかるようなことをしない限り動作が重いと感じる事はありませんが、綺麗な画質を求めようとするとGPUに限界を感じることがちょくちょくあります。
このPCで出来たこと
APEXのような3DゲームをPC1台で配信
具体的には
・PC版3Dゲーム(APEX最高画質設定)
・2Dモデルキャプチャ(Face Rig)
・OBSで配信(YouTube 1080p60fps)
を1台のPCで同時に行う配信。
テストプレイをしたときの様子です。マイクは切っているので声は入りませんがどのくらいの画質なのか伝わると思います。
このスペックであれば3Dゲームを高画質な設定でプレイしながらYouTubeで配信が可能です。ただOBS(配信ソフト)の設定次第では配信上の映像の画質が少々悪くなってしまうことがあります。
ちなみにCPUは使用率40%前後・メモリ使用率50%前後くらいでした。GPU使用率は80-100%になるので、他に処理をする余裕はあまりないという事なのでしょう。
クリスタを使用してのお絵かき配信
・イラストソフト(CLIP STUDIO PAINT)
・2Dモデルキャプチャ(Face Rig)
・OBSで配信(YouTube 1080p60fps)
を1台のPCで同時に行う配信も難なくできました。おそらく3Dゲーム配信よりもPCに負荷をかけずにお絵かき配信はできると思います。
YouTubeを見ながら動画編集(編集ソフトDaVinci Resolve)をする
配信ではなく動画投稿をメインとして活動を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
DaVinci Resolveは動画編集ソフトの中でも重い部類のようなのですが、配信の切り抜き動画程度なら問題なく使用できました。ただ、編集時にエフェクトを沢山かけると動作が不安定になったので、編集モリモリの動画を作りたい場合はもう少しスペックを上げないと苦戦するかもしれません。
これに関しては僕がまだ動画ソフトを使いこなせていないせいで、動作を軽くしたりする機能があるのに気付いてないだけかも知れませんが……。
このPCで出来なかったこと
APEXのような3Dゲームを1台のPCで配信しながら、同時に録画もする
具体的には
・PC版3Dゲーム(APEX最高画質設定)
・2Dモデルキャプチャ(Face Rig)
・OBSでYoutube配信と同時に同じ画面を録画(1080p60fps)
を1台のPCで同時に行う配信。
OBSにはリプレイバッファという『録画をし忘れてた場面でも遡って録画ができる』という機能があるのですが、【APEXのような3Dゲームを1台のPCで配信しながら、同時にリプレイバッファを付ける】という条件で動作が不安定になりました。
ゲームのFPS値が安定しなかったのか、ゲーム画面がカクカクした動作になってしまうといった不安定さです。(先日OBSのアップデートをしたのですが、それ以降挙動がおかしくなった部分があるので、近々別のバージョンでも試してみようと思います。)
ARKの実況を録画で収録
具体的には
・PC版ARK(最高画質設定)
・2Dモデルキャプチャ(Face Rig)
・OBSで録画(1080p60fps)
を1台のPCで同時に行う配信。
ARKはAPEXよりもグラフィックが細かい?感じのオープンワールドの3Dゲームです。なのでかなりGPUに負荷がかかるのでしょうけど、動作は全然安定しませんでした。
不安定の内容としては『ゲームのプレイ画面が普通にプレイしている時よりカクカクする』『録画した動画はゲームも2Dモデルもさらにカクカクしていて、とてもじゃないけど見てられない』といったものです。
APEXなら問題なくゲームプレイと録画が出来るのにARKなら動作が不安定になりました。
つまり録画でのゲーム実況をやる場合はゲームを選んでしまう可能性があるという事ですね。FaceRigを閉じたらカクカクが気にならなかったあたり、原因はGPUの力不足にあるのかなと思います。
なのでARKのようにゲーム機版のあるゲームは、なるべくゲーム機でプレイした方がカクカクしにくいかと思います。(ゲーム機が映像処理にかかる演算などをしてくれるはずなので……)
※ARKの画質を落としてもダメでした。
最低限あった方が良いと思うスペックについて
ゲームスキルを磨いてスキルでお客さんを集めるタイプのVtuberになりたいという場合は、スペックを妥協するべきではないと思いますが、そうでなければ画質を下げたり、負荷の大きいツールを避けることによってPCの動作をより安定させる事ができます。
なので僕が使っているPCよりも低いスペックのPCでも十分にVtuber活動はできるし、現にそういった環境で活動しているVtuberさんも沢山います。
そこで、周りのVtuberさん達の環境などから、最低限このくらいスペックは欲しいなという僕なりの見解をまとめました。※このくらいのスペックじゃないと活動できないという意味ではなく、個人的にこれくらいないと大変かなぁと思うスペックです。
あった方が良いと思うスペック
CPU : Intel Core i7-8700
GPU : NVIDIA GeForce GTX1660
メモリ : 16GB
ストレージ : SSD500GB HDD1TB
これならVtuberのモデルを動かしてそれなりの画質でゲーム配信が出来るんじゃないかと思います。
ただ綺麗な画質で配信をしたいならちょっと難しいかもしれません。
3Dゲーム配信・動画をメインでやりたいならGPUを、配信ではなく動画勢ならストレージとCPUを、複数のアプリを立ち上げるような複雑な企画の配信・動画をしたいならメモリを優先的に強化するといいでしょう。
先ほども言いましたが、ノートパソコンの購入を検討している場合CPUは慎重に選んでください。
デスクトップなら知識をつければ自分でPCの内部パーツを組み換えることもできるので、活動を始めてからスペックが足りなかったらより高性能なものに換えれますが、ノートパソコンのCPUは一般的な市場に出回っているものだと使えなかったりもするので、換装できないことが多々あります。
スペックもだけど回線も重要
特に配信をメインで活動していきたいと考えてる人にとっては、PCのスペックだけでなくネット回線も重要になってきます。
ネット回線が弱いと
・オンラインゲームがカクカクする
・配信画面がカクカクする
・配信が止まる
・コラボ相手の音声が途切れる
などの現象が起こったりします。
回線に関してはすぐに変えられない家庭環境の方もいると思いますが、
画質を下げたり、ルーターの位置を変えたり、有線に変えたり、回線を使うアプリは同時に立ち上げないようにすると、上記のような不具合を抑えられる場合があります。
今まさにVtuber活動をしてて「PCスペックに満足していないから買い替えよう」と思っている方がいたら、本当にスペックに問題があるのか、回線にも問題があるかを確認してみると良いでしょう。
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